前歯が当たらず、うまく噛めない——。
「食べづらい」「奥歯ばかり当たる」「見た目が気になる」など、そんなお悩みの裏には「開咬(かいこう)」と呼ばれる噛み合わせのズレが隠れていることがあります。
最近は、透明なマウスピース矯正「インビザライン」で治療を検討される方も増えていますが、すべての開咬がインビザラインで治せるわけではありません。
原因や症状のタイプによって、向いているケース・難しいケースが異なります。
このページでは、「前歯で噛めないのはなぜ?」「自分はインビザラインで治せるの?」という疑問にお答えしながら、治療の流れや注意点をわかりやすくご紹介します。

前歯で噛めないのはどんな状態?

前歯で噛めない(開咬)の状態イメージ

食べ物を噛もうとしても、前歯がうまく当たらず、奥歯だけで噛んでしまう――
そんな状態は「開咬(かいこう)」と呼ばれます。
開咬になると、前歯の間にすき間ができ、食べ物を前歯で噛み切ることが難しくなります。リンゴや麺類などを前歯で噛もうとしても、うまく力が伝わらず、滑ってしまうことがあります。
見た目の問題だけでなく、噛み合わせのバランスが崩れることで、

  • ・食べ物をしっかり噛めない
  • ・奥歯に負担がかかる
  • ・発音がしにくい(サ行・タ行など)
  • ・口が開いたままになりやすい

といった症状が出ることもあります。
また、軽度な場合は気づかれにくいのですが、横顔のバランスにも影響が出ることがあります。
「なんとなく口が閉じにくい」「歯並びはきれいなのに噛みづらい」という方も、開咬のサインかもしれません。
このように、前歯で噛めない状態は、見た目や食事のしづらさだけでなく、歯や顎への負担、そして今後の噛み合わせの安定にも関わるため、早めの確認・相談が大切です。

前歯で噛めない原因とは?

開咬の原因イメージ

前歯がしっかり当たらず、噛みづらいと感じる原因はいくつかあります。
大きく分けると、「歯の位置や角度のズレ」「舌や口まわりの癖」「骨格のバランス」の3つです。

歯の位置や角度のズレ

歯が少し外向きに生えていたり、奥歯が高くなっていたりすると、前歯同士が届かなくなることがあります。
特に、奥歯だけが強く当たっている場合は、前歯が浮いたような状態(開咬)になりやすいです。

舌や口まわりの癖(舌癖・口呼吸)

飲み込むときに舌を前に押し出す「舌癖(ぜつへき)」があると、少しずつ前歯が押されてすき間が広がり、前歯が当たりにくくなります。
また、口呼吸の習慣がある方は、口まわりの筋肉が弱まり、歯並びに影響が出ることもあります。

骨格のバランス

もともとの骨格が原因で、上下の顎の位置関係にズレがある場合もあります。
たとえば、上顎と下顎の高さや角度のバランスが合わないと、前歯同士が噛み合わず、奥歯だけで噛む状態になることがあります。

こうした原因は、見た目だけでは判断が難しいことも多いです。
「なんとなく噛みにくい」「前歯が当たらない」と感じたら、早めに歯科で噛み合わせのチェックを受けることをおすすめします。

インビザラインで前歯が噛めない開咬は治せる?

インビザラインでの開咬治療イメージ

「マウスピース矯正(インビザライン)で、前歯が噛めない状態は治せるの?」
と疑問に思う方は少なくありません。
結論から言うと、歯の位置や角度が原因で前歯が当たらない「歯性の開咬」であれば、インビザラインで改善できるケースが多くあります。
歯を動かす力をコントロールしながら、前歯をしっかり合わせていくことで、「前歯で噛める」正しい噛み合わせに近づけていきます。
ただし、骨格そのもののズレ(骨格性の開咬)が強い場合や、舌の癖・口呼吸など、日常の習慣が関係している場合は、インビザライン単独では十分に改善できないこともあります。
その場合は、顎間ゴム(あごにかけるゴム)を併用したり、舌のトレーニング(MFT)を合わせて行うことで、より安定した結果が得られます。
つまり、「どんな開咬でも治せる」わけではありませんが、歯の動きで改善できるタイプであれば、目立たず、取り外しもできるインビザラインはとても有効な矯正方法です。
自分のケースがインビザラインで治せるかどうかは、お口の状態や癖、骨格のバランスによって変わります。
まずは噛み合わせの状態を確認しますので、一度現状の歯並びについて横山歯科医院へご相談ください。

インビザラインで治せる開咬の特徴

インビザラインで改善しやすい開咬には、いくつかの特徴があります。
共通しているのは、骨格のズレが大きくなく、歯の角度や位置の問題が中心になっているケースです。
たとえば、次のような方はインビザラインで治しやすい傾向があります。

  • ・奥歯の高さが少し高く、前歯が浮いてしまっている
  • ・前歯がやや外向きに生えていて、噛み合っていない
  • ・舌癖(飲み込むときに舌を前に出す癖)が軽い
  • ・顎の骨格に大きなズレがない

こうしたケースでは、マウスピースで歯の角度や位置を少しずつ整えることで、前歯がしっかりと当たるようになり、噛みやすい状態に導くことができます。
また、マウスピースは透明で目立たず、取り外しもできるため、見た目やライフスタイルに配慮しながら治療を進めたい方にも向いています。
ただし、骨格が原因の開咬や、舌癖が強く残っている場合は、インビザラインだけでは十分な効果が得られないことがあります。そのようなときは、顎間ゴムの併用や舌のトレーニング(MFT)を組み合わせて、噛み合わせを安定させることが大切です。

インビザラインでの治療が難しいケース・注意点

治療が難しいケースのイメージ

インビザラインは幅広い歯並びの改善に対応できますが、すべての「前歯で噛めない開咬」が治せるわけではありません。
歯を動かして調整できる範囲には限りがあり、原因や症状の程度によっては、ほかの方法を組み合わせた方が良いケースもあります。
たとえば、次のような場合は、治療の難易度が高くなります。

  • ・上下のあごの位置関係にズレがある「骨格性の開咬」
  • ・舌を前に押し出す癖(舌癖)が強く、今も続いている
  • ・開咬の幅が大きく、前歯のすき間が広い
  • ・過去の矯正後に再発している

こうしたケースでは、インビザライン単独では十分な効果が得られないことがあります。
必要に応じて、ワイヤー矯正や補助装置(顎間ゴム・ミニスクリュー)を併用したり、
舌のトレーニング(MFT)を並行して行うことで、安定した結果につながります。
また、マウスピース矯正は、毎日決められた時間装着することが大切です。装着時間が短いと、歯が計画通りに動かず、治療期間が長引くこともあります。

「自分はインビザラインだけで治せるのかな?」と感じたら、まずは当院でお口の状態を確認いたしますので、一度ご相談ください。
原因をしっかり見極めることで、無理のない治療計画を立てることができます。

治療期間と費用の目安

治療期間の目安

軽度の開咬(歯の傾きや位置のズレが中心)の場合は、およそ1年〜1年半ほどで改善することが多いです
一方で、噛み合わせのズレが大きい場合や、舌癖・口呼吸などの習慣が関係している場合は、1年半〜2年ほどかけてじっくり整えていくケースもあります。
また、歯の動きに合わせて「追加のマウスピース(再計画)」を作ることもあります。その際は、治療期間が少し長くなることもありますが、丁寧に調整することでより正確な噛み合わせに仕上げることができます。

費用の目安

インビザラインの費用は、使用するマウスピースの枚数や治療の範囲によって異なります。
全体矯正の場合で、80〜100万円前後(税込)が目安です。
部分的な調整で済む軽度のケースでは、40〜60万円前後(税込)に収まることもあります。(※医院によって料金体系が異なります)
治療を始める前に、歯の状態をスキャンやレントゲンで確認し、実際にかかる期間や費用を詳しく説明いたします。
まずは「どのくらいで治るのか」「いくらくらいかかるのか」を明確にしてから、自分に合ったプランを選ぶのがおすすめです。

前歯が噛めない悩みを改善したい方は徳島市の横山歯科医院へ

「前歯で噛めない」「奥歯ばかり当たってしまう」——
そんなお悩みを抱えていても、原因や治療法がわからず、長い間そのままにしている方は少なくありません。
インビザラインは、透明で目立ちにくく、取り外しもできる矯正方法です。
見た目を気にせず治療を進められるため、お仕事や日常生活への負担を抑えながら、自然な噛み合わせをめざすことができます。
ただし、開咬の原因や程度によって、治療法や必要な期間は一人ひとり異なります。
「本当に自分に合うのか」「治せるのか」を知るためには、まずはお口の状態をしっかり診てもらうことが大切です。
当院では、精密な検査と丁寧なカウンセリングをもとに、インビザラインが適しているかを判断し、患者さまに合った治療方法をご提案しています。
気になる方は、どうぞお気軽に徳島市にある横山歯科医院へご相談ください。「前歯で噛めない」というお悩みを、一緒に解消していきましょう。

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